雑記

34歳になった僕は、TVで歌ってるAKB48をぼうっと見ている。
フライングゲットってどういう意味なんだろう。


夜21時頃のオフィス。中堅社員と後輩社員が残業している。
「先輩腹減りませんか?」
「え?あー、減ったかも。コンビニ行ったりする?」
「俺行ってきますよ。何かご希望ありますか」
「適当に頼むわ。軽めなの」
後輩社員は財布を持ってコンビニに出掛けていく。


「お待たせしましたー。」
「おー、サンキューサンキスト。お前何買ってきたの?」
「俺は塩ダレ豚カルビ弁当っすね。先輩にはこれっす」
後輩社員は先輩に紙に包まれたホットスナックのようなものを渡す。
「何この三角の」
「これっすか?フラゲっすよ」
フラゲ?何それ」
「先輩フラゲ知らないんすか?うちの妹とか好きで毎晩食べてますよ。まじフラゲ中毒っていうか」
「へー、妹さん好きなんだ。で何なのこれ。知らないから開けるのこわいんだけど」
「何ていうか、メンチカツより軽くて、コロッケより歯ごたえあるっていうか、多分イカのゲソとか入ってるんじゃないかなあ」
「え、何、全然わかんないんだけど、コロッケなの?あったかいけど」
「あー、コロッケっていうか餃子っていうか、そういやこれ揚げてあるのかわかんないっすね」
「え、揚げてないの?フラゲのフラってフライのフラじゃねえの?焼き物?」
「いやー、焼き物って感じでもないっすねー。蒸してる?」
「蒸してんの?でも紙の隙間からコロッケの衣みたいなの見えてるよ?」
「あー、衣は付いてますねー。でも蒸してから揚げた衣付けてんじゃないかなー」
「いや、そんな料理絶対ねえだろ。何これどんな味なの?さっぱり系?こってり系?」
「あー、飽きない味っすね」
「飽きないって何よ?大体フライだろ?フラってフライ以外あるか?フランベ?コンビニでフランベ?しかもこれ何か異常に重さあるよ、何これ?」
「あー、メンチとかコロッケとかは店員が揚げてるんすけど、フラゲだけは店員が作ってないみたいなんすよねー。妹も見たことないって言ってたし」
「俺が言ったことに何にも答えてねえし。だからさこれ異常に重いよ、何なのこれ?しかもフラゲのゲってイカゲソのゲだろう、フライのゲソだろう?そうだろうよ?」
「これは飯以上スナック未満ってとこすかね」
「スナック未満なの?都こんぶみたいなの?どこの位置付けなのよこれ?軽いの?重いよ?重いよ?」
「あー、飲んだ後とかでもいけますよ。おいしいだお」
先輩は立ち上がって後ろを向いて、窓にフラゲを投げる。窓にフラゲがくっ付く。
「あーあー、フラゲくっ付いちゃいました」


34歳でおニャン子クラブをぼうっと見てた人は、還暦間近なんだな。