賛美歌312番

今日は同じ課の先輩の結婚式だった。
会場は東京駅の八重洲口を出てすぐの建物。今まで銀行かと思っていたんだけど、そこにはすごくきれいな結婚式場があった。
建物は昭和初期に建てられたものとのこと。内装はしてあるけど、確かにそんな感じだ。
式で新郎と新婦が入場するとき、聖歌隊の女の子が後ろについてアメージング・グレースを歌っていた。歌詞は知らないけど、僕もちょっと歌いたくなった。聖歌隊の右にいた子が柴崎コウに似ていた。
課長は乾杯のあいさつをするということで、前日からえらく緊張していた。
「おれがしゃべるんだから、お前もしゃべろうよ」
「ひょっとしてずるいとか思ってないすか」
式が始まる前にそんな会話を何度となくした。本番前は緊張を酒で緩和していた。
新郎新婦はすごくお似合いのカップルだ。先輩の話を聞いていて、そうなんだろうなあって思っていたら、やっぱりそうだった。新婦さんは以前から知っていたんだけど、ちゃんと話しをしたのは初めてだ。なぜか結婚式で新婦さんと、
「今度攻殻の続き貸すね」
「ありがとうございます」
と会話をした。そうだ、この人から借りていたのだ。新郎のご家族も、新婦のご家族も、明るくておもしろそうな人たちだった。和気あいあいと挨拶まわりをしていた。親戚の方がスピーチしていたが、味があった。
結婚式だといろいろなお酒を飲めるんだけど、ついつい悪い癖で注がれたものをほとんど飲んでしまう。そうするとちゃんぽんになるので、顔が真っ赤になる。今日も最後は酔っ払ってしまった。


夕方に帰ってきて、気付いたら寝ていた。
起きて今日あったことをこうして整理した。朝が2回来たみたいだ。
今日はイベリコ豚の料理をご馳走になったけど、どんぐりを食べて丸々と育った人がいたらそれはイベリコ人なのかなあ。それとも体からどんぐりの臭いがする人がイベリコ人なのか。ベジタリアンの中にはイベリコ人がいるかもしれない。
とにかくおめでとうございます。すごくいい雰囲気の結婚式だった。