雑記

道端でハットリくんダンボールにくるまっている。
ハットリくん、その忍法は何?」
「ケンイチ氏、これは忍法宿無しの術でござる」
「この寒いのに」
「中に新聞を敷くと暖かいでござる」
「僕ん家、嫌になったの?」
「そんなことないでござる。修行の一環でござる」
「シンちゃん、今頃家でアド街見てるよ」
「シンゾウは東京に来てヌルくなったでござるよ」
「みんなそんなもんだって。ハットリくんだってたまにコンビニでフライデー読んでるらしいじゃん」
「どこで聞いたでござるか」
ケムマキが言ってたよ」
甲賀の陰謀でござる」
「いいよ、そんなの。僕だって袋とじは気になるもん」
「そうでござるか。拙者一度でいいから袋とじを開けてみたいでござる」
「なんだ、そんなこと。今から買ってきてあげるよ」
「かたじけないでござる」


ケンイチはフライデーをハットリくんに手渡す。
「袋とじ開いていいよ」
「拙者、ご開帳は初めてでござる」
ビリビリ。うまくやぶけない。
「肝心なところが破れてしまったでござる」
「だめだなあ、ハットリくんは。これじゃあ見れないじゃないか。人差し指を入れて破くんだよ」
「ケンイチ氏は経験があるでござるか」
「前にパパが買ってきたのを勝手に破いたことがあるよ。怒られたけど」
「パパも隅に置けないでござるな」
「僕のパパだからね」
「ケンイチ氏、この娘は何も着てないでござるよ」
「ばかだなあ、ハットリくんは」