追悼

清志郎の告別式に、チェーンソー、horie77と3人で向かった。
青山葬儀所の最寄である乃木坂を下りると、ファンの行列ができている。
どこまでもどこまでも続く行列だった。そして次々にまたファンが並ぶ。途切れることはない。
「この列の中に清志郎も並んでいるかもしれないな」
とhorie77が言った。
『あ、清志郎さんじゃないですか』
『いやあ、まあ』
なんてことが、清志郎だからあるかもしれないと思った。
そんなことを話しつつ、ここに並んでいる人全てが清志郎のことを想っているんだなあと考えたりしていた。


しばらく並んだ後、方針変更して「多摩蘭坂に行こうか」ということになった。
清志郎が昔下宿していて、歌にもしたゆかりの地だ。チェーンソーと先週から行こうと言っていた。
久しぶりに中央線に乗って、国立に向かった。
国立駅の南口を出て旭通りをしばらく歩いて行くと、多摩蘭坂はあった。
多摩蘭坂清志郎のあて字で、正確にはたまらん坂らしい。
坂の中腹の歩道脇に「たまらん坂」と書かれた標識があり、そこにたくさんの花が供えられていた。
訪れたファンがメッセージを残したノートも置いてある。表紙を捲ると「イエーって言えー」と大きく書かれていた。
僕もメッセージを書いた。
そこに清志郎の同級生というおばさんが通り掛かり、
「何でここなんだろう。彼が住んでたのはもっと上の方よ。今はマンションとか建っちゃったけど」
と言って去っていった。
そう言われて、僕達はもっと坂の上の方に行ってみた。
「この辺りだったのかな」と言いながらしばらく坂下を眺めていた。


ありがとう清志郎
本当は「熱いぜベイベー」ってもう一度言ってほしいよ。