雑記

「今週は気疲れすることが多いもんだ。元気が欲しいなあ」
道沿いに閉まりかけた薬屋が。入り口のガラスに「元気ない方へ」とPOPが貼ってある。
店に入る男。客が来たことを知らせるチャイムが鳴る。
奥から初老のおじさんが黙って出てくる。
「元気が出るものがあれば」
「ああ。表の。母さん、ちょっとあれ出してくれ」
戸が開いて、奥さんがおじさんに何か手渡す。奥さんの顔はよく見えない。
「元気100と元気200、500元気とあるけど」
元気100と200はコーンスナックだった。
「あ、じゃあ500元気を」
「これね。500円」
「はい、500円」
その場で男は500元気を食べる。ゼリーなので食べるというかすする感じ。
「結構いけますね、これ」
「そうね。ローヤルゼリー入ってるから」
「こんな味なんだ」
「まあ帰って暖かい風呂でも入りなよ」
「そうします」