雑記

そういや群馬の田舎に帰ったとき、おばあちゃんが「カズくんができちゃった結婚したんだって」と教えてくれた。久しぶりに友達だったカズくんのことを思い出した。

カズくんは僕が住んでいたその家から50mくらいのところに住んでいた友達だった。生まれて初めてできた友達だ。近所だったので2歳の頃に親同士が友達にしたらしい。記憶があるのは4歳くらいからなんだけど。僕がカズくん家のガラスを割ったとか身に覚えのない話をよく聞く。
カズくんの家は平屋で大きくて、おじいさんとお父さんが使う広い書斎があった。その書斎にはたくさんのレコードとたくさんの本が置いてあった。富士山の絵が飾ってあり、ダーツとかターンテーブルとかもあった。子供ながらに大人の部屋だと感じた。その部屋でよく遊んだ。
カズくんからはいろんなことを教えてもらった。ジャンプの存在やキン肉マンキャプテン翼とかを教えてくれたのもカズくんだった。キン消しで遊んだり、押入れに秘密基地を作ったり、家の前にあった物置きを探検したりした。トランポリンをしたり、ホッピングをしたり、泳ぎ方も教えてくれた。もちろんファミコンも。兄貴肌の人だった。カズくんとお菓子を買いに行くと、お小遣いが20円でガチャガチャ1回で全て終わる僕にいつもおごってくれた。カズくんはなぜかいつも千円札を持っていた。
一番印象に残っているのは、カズくんがモデルラジコンを見せてくれたときのこと。お父さんと一緒に1ヶ月かけて作ったというそのラジコンは、僕の持っていたおもちゃのラジコンの3倍くらい大きく、かっこよかった。衝撃を受けた。バネが付いていてショックを吸収するらしい。タミヤのラジコンだった。それから僕の頭の中はタミヤのラジコン一色になった。
カズくんの家はなんでもあって、犬のチロや猫のモニカもいて、うらやましかった。けどカズくんのお母さんは姑のおばあちゃんとうまくいっていなかったらしく、小学2年生くらいのときにカズくんとお姉さんのヨウコちゃんを連れて出ていってしまった。
家族がそんな状況になっているなんて、普段のカズくんからはわからなかった。学校が変わってしまったので、カズくんとはなかなか会えなくなった。その後僕は埼玉に引っ越したので、いよいよ音信不通となった。
そんな僕の最初の友達は、できちゃった結婚をしたらしい。幸せだったらいいなあと思う。楽しいお父さんなんだろうな。