帰省

群馬の田舎に帰りました。駅に着いて電話すると、すぐに母方のじいさん(86)が新車で迎えに来てくれました。見せたくて仕方ない感じです。乗り込んですぐ、「いいだんべ」と言われました。「内装もいいねえ」なんて話していると、「テイーダっつんだ」と車名を教えてくれます。ティーダですね。CMでやっていたのと同じシャンパンゴールドのティーダです。かっこいい。じいさんはうれしそうに運転していました。
家に着いてすぐ、今度はじいさん母親が持ってきた包丁を研ぎ始めました。大工の丁稚奉公をしていた頃に覚えたそうで、研ぎながら「研ぐときの刃の角度が難しいんだ」と教えてくれます。習ってみたくなります。
みんなで一緒にファミレスに行き、ご飯を食べました。無口なじいさんとよくしゃべるばあちゃんは絶妙な間合いがあり、尻に敷かれているじいさんは、ばあちゃんが「おとうさん、ちょっとその紙取ってよ」と言うとすぐさま紙を取ってあげます。じいさんはばあちゃんが大好きです。買い物でもカラオケでも旅行でも、どこでも車で連れて行ってあげます。
ファミレスから帰る車中で、耳の遠いじいさんをよそにばあちゃんは昔のじいちゃんの面白エピソードを披露してくれます。今回は猫を市場で何度ももらってくるという話。飼っていた猫が死んで母親や母親の妹さんがしくしく泣く度に、市場で知り合いから子猫をもらって、懐に子猫を入れて帰ってくるという話。そんなこんなで10匹くらい猫を飼ったそうです。じいさんの話をしているばあちゃんはとてもうれしそう。
自分の家族だけど、こんな夫婦いいなあといつも思います。今まで大変なことも多かったんだろうけど。
うちの父親と母親は同じ市内出身なので、父方のばあちゃんの家にもすぐに行けます。父方のばあちゃん家は僕の生家でもあるので、ぼろいですがものすごく居心地がいい。ばあちゃんは僕らが来ると、いつも落ち着きなく「牛乳飲むかい」とか「すいか食べるかい」とか言ってくれます。すいかは甘かった。庭でアリの巣を見つけました。帰りに豆乳のパックを持たせてくれました。
子供の頃、いつも一緒に暮らしていたはずのばあちゃんは今はひとり暮らしです。いつも「じゃあね」と言う時がかなしい。
今回は父方のおばあちゃん家に泊まれなかったので、秋になったらまた行こう。おばあちゃん子なので。群馬で暮らしたいなあ。